皮膚についてのひとくちメモ

治りにくいニキビ
ニキビが治りにくい患者さんの場合、次のような特殊なニキビや、ニキビと思っていても違う疾患の場合があります。
特殊なニキビ
  1. 油性ざ瘡:化粧品に含まれる鉱物油や、仕事で使用している機械油、鉱物油などにより起こるニキビ。
  2. 薬剤性ざ瘡:ステロイドや抗結核薬など、内服している薬が原因で起こるニキビ。
  3. ニキビダニざ瘡:ニキビダニによるニキビ。

ニキビによく似たその他の感染症
  1. マラセチア毛包炎:malassezia furfurというカビの一種が多量に存在するときに引き起こされる毛穴の炎症。抗真菌剤が有効な場合には、マラセチア毛包炎の可能性が高い。特に、体幹に存在するときに疑わしい。また、夏期ざ瘡といわれる日光浴後のニキビも、高温でmalassezia furfurが発育しやすからではないかと考えられている。
  2. 緑膿菌性毛包炎:お尻や、大腿部の毛包炎は、プールなどでうつる緑膿菌による感染症の可能性がある。
  3. 溶連菌性伝染性膿痂疹:顔にできやすい、とびひの一種。
  4. 化膿性汗腺炎:毛穴や汗管の閉塞によりおこる発赤、腫脹の強いできもの。

ニキビによく似ているが、ニキビでも感染症でもない疾患
  1. 好酸球性膿包性毛包炎:ニキビの辺縁に、赤いもりあがりのある場合に疑われる病気で、何らかの原因により毛包への好酸球の浸潤が認められる疾患。
  2. 酒さ:局所的な循環障害による毛細血管の拡張があり、赤ら顔となり、脂腺の分泌が亢進することによって、一部に膿疱(ニキビ様)が認められる疾患。
  3. 酒さ様皮膚炎:ステロイドの長期外用により生じた酒さによく似た皮膚炎。
  4. その他、内臓疾患の表れとしてニキビによく似た皮疹を呈することがある。

 

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